REDはインバウンド施策を検討している企業や、中国語圏向けの発信を強化したい担当者にとって、今もっとも注目すべきプラットフォームのひとつです。ただ「名前は聞いたことがある」「中国のSNSらしい」程度の認識で止まっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、REDとは何かという基礎情報から、インバウンド施策としてどんな価値があるのかを分かりやすく解説します。
💡 こんな方に読んでほしい
- REDがどんなプラットフォームなのか
- 担当になったばかりで運用方法を知りたい方ない
- REDで配信している企業アカウントの情報を知りたい
RED(小紅書)とは?

RED(正式名称:小紅書/シャオホンシュー、別名:REDNote)は、2013年に中国でリリースされたSNSプラットフォームです。日本でいえばInstagramやX(旧Twitter)に近い立ち位置ですが、使われ方はかなり独自で、単なるSNSにとどまらない複合的なサービスになっています。
REDはどんなアプリなのか
【REDの主な機能】
- SNS機能:写真・動画を投稿してフォロワーと交流する
- EC機能(RED Shop):気に入った商品をアプリ内でそのまま購入できる
- 検索機能:投稿の中からハッシュタグや本文を使って情報を探せる
REDは「SNS」「EC(ネット通販)」「検索」という3つの機能が1つに統合されているアプリです。この3つが一体化していることが、他のSNSとの大きな違いです。「投稿を見て→気になって→その場で買う」という流れが、アプリを切り替えることなく完結します。
REDの利用ユーザー属性
月間アクティブユーザーは2億人を超えており(2024年時点)、その中心はZ世代・20〜30代の都市部女性です。コスメ・ファッション・旅行・グルメ・ライフスタイルといったジャンルが特に人気で、「リアルな体験談を共有したい・探したい」というユーザーが多くいます。
地域は中国本土にとどまらず、台湾・香港・シンガポールなど中国語圏全体に広がっており、海外在住の中国語話者にも広く使われています。
日本からも使えるのか
中国発のSNSとはいえ、日本からでも問題なく利用できます。App StoreまたはGoogle Playからアプリをダウンロードし、電話番号でアカウントを作成すれば、すぐに投稿・閲覧・検索が可能です。
アプリの言語は中国語(簡体字・繁体字)と英語が中心ですが、画像・動画コンテンツは言語に関係なく楽しめます。
REDは「見るだけ」の利用ができるか
【ブラウザ版でできること・できないこと】
機能 | ブラウザ版での可否 |
投稿の閲覧・検索 | ○ アカウントなしで可能 |
いいね・コメント・保存 | × アカウント登録が必要 |
投稿の作成・公開 | × アプリ版のみ |
フォロー・DM | × アプリ版のみ |
ブラウザ版のREDを使えば、アカウントなしでも投稿の閲覧・検索が可能です。自社のジャンルや競合アカウントがREDでどんな投稿をしているか、どの投稿がよく伸びているかを事前に把握し、導入前の判断材料として活用はできます。
しかし、頻繁にアプリ誘導のポップアップが出てくるので、有用とはいえません。実際に運用を始める場合はアプリが必要になるため、事前にダウンロードをしてみて導入を検討するのがおすすめです。

アプリ誘導のポップアップ画面
💡 REDの運用を始める前、ブラウザで閲覧をしていた時もありましたが、実際に手を動かしてREDに触れる方が効率的かつより詳しく特徴を広げられました。
REDの本質は「中国版Instagram」ではない
REDを説明するときに「中国版Instagram」という言い方をよく見かけますが、実際に使ってみると、非常に多くの違いを感じられます。
InstagramやTikTokは基本的に「見せる・楽しむ」がメインのプラットフォームで、美しい写真を発信したり、フォローしている人の日常を覗いたりする使い方が中心です。一方、REDのユーザーは「調べるため」に開いていることが多く、投稿に対する質問をして回答をするという掲示板のような役割を担っています。
REDとInstagram・TikTokとの違い
RED(小紅書) | TikTok | ||
|---|---|---|---|
主な使われ方 | 情報を調べる・口コミを探す | 世界観・ライフスタイルを発信する | バズ動画・エンタメを楽しむ |
コンテンツ形式 | 画像(複数枚)・動画・テキスト | 画像・リール動画・ストーリーズ | 縦型ショート動画が中心 |
購買との連動 | ◎ アプリ内でそのまま購入完結 | △ 外部サイトへの誘導が中心 | △ TikTok Shopで一部対応 |
口コミの信頼度 | ◎ リアル体験談が中心で高い | ○ インフルエンサー口コミあり | ○ コメント欄で評判確認 |
シンプルに違いをまとめると、InstagramやTikTokが「見て楽しむ」プラットフォームだとすれば、REDは「調べて・参考にして・買う」ためのプラットフォームです。購買意欲につながるコンテンツを発信したい企業にとって、REDは非常に相性のよい媒体と言えます。
ユーザーがREDで調べていること
REDで検索されるキーワード(クエリ)もGoogleで検索するような行動とほぼ同じで「京都 穴場 カフェ」、「スキンケア 30代 乾燥肌 おすすめ」、「日本 お土産 空港」などです。
しかし検索結果に出てくる投稿が公式サイトの情報ではなく、実体験に基づく投稿が多く表示されます。フォロワー数の多いアカウントばかりが表示されるのではなく、ユーザーが本当に知りたいリアルな情報がすぐに見つかるという点はREDの大きな特徴です。
企業としてのREDの活かし方
「調べるSNS」という特性は、企業のコンテンツ戦略に直接影響します。具体的には「バズを狙った投稿」よりも、「ユーザーが調べたときに出てくる投稿」を積み上げていくほうが、REDでは長期的に成果につながります。
SEOに近い発想で、「行き方」「使い方」「口コミ」「比較」といった検索ニーズに応えるコンテンツを蓄積していくイメージです。
💡 運用を続ける中で気づいたのは、毎回の投稿がバズる必要はないということ。一定頻度で体験・情報を積み上げていくことで、「調べたときに出てくるアカウント」としての存在感が徐々に高まっていく実感がありました。
日本企業がREDを使うべき理由
日本企業が中国語圏のユーザーはもちろん、日本に住んでいる中国語を母国語としてい方へのアプローチする手段として、REDは非常に効果的です。
厳しいインターネット規制がかかっている
中国には「グレートファイヤーウォール(金盾)」と呼ばれるインターネット規制があり、これによってGoogle・Instagram・LINE・YouTube・日本の多くの企業サイトが中国国内からアクセスできない状態になっています。
つまり、どれだけ自社のウェブサイトやInstagramを充実させても、中国在住のユーザーにはほぼ届きません。中国語圏の生活者と接点を持つためには、中国国内で使えるプラットフォームで発信する必要があり、その代表格がREDです。
日本を訪れるインバウンド集客との相性が高い
REDは特に、訪日旅行を計画している中国語圏のユーザーが情報収集に使うプラットフォームとして定着しています。「日本旅行」「東京 グルメ」「大阪 お土産」といったキーワードで常に大量の検索が行われており、旅行前・旅行中・旅行後の購買行動に直結しています。
飲食・ドラッグストア・観光施設・ファッションといった業種の日本企業がすでにREDで公式アカウントを運用しており、「来店→購買」という流れを実現している事例が増えています。
💡 「日本旅行」「日本 お土産」「日本 桜」などのキーワードに紐づく投稿が、高い閲覧数を獲得する傾向があります。訪日意欲の高いユーザーが年間を通じて情報を探しており、ここに継続的に投稿していくことが中長期の資産になります。
越境ECをも見据えている企業には特におすすめ
REDにはEC機能(RED Shop)が統合されており、投稿から商品購入まで一つのアプリで完結します。将来的に中国語圏向けの物販・越境ECを見据えている企業にとっては、情報発信の場としてだけでなく、販売チャネルとしての可能性も持つプラットフォームです。
REDアプリの危険性・安全性
REDは中国語表記のため、詳細の記載事項が分からないといった背景から「何となく危なそう」といった心配を持っている方も多いはず。結論、過度に恐れる必要はありませんが、他のSNS媒体同様にきちんとリスクを理解したうえで運用するべきです。
中国の法規制との関係
中国では2021年に「データ安全法」と「個人情報保護法」が施行されており、中国国内で収集したデータの管理や国外への移転に厳しいルールが設けられています。REDも中国企業が運営するプラットフォームであるため、これらの法律の対象です。
凍結の危険性がある
REDでは外部リンクを貼って別のサイトへ誘導することは、ガイドライン上禁止されています。自社のサイトはもちろん、トレンド情報を発信するために別会社のサイトURLを載せるのももちろんアカウント凍結の対象行為です。
違反するとコメントやDMの返信が24時間できなくなるといったペナルティを受けます。さらにこれらを繰り返してしまうと、永久的にアカウントが凍結してしまうリスクもあるため注意しましょう。
💡 実際に運用メンバーのアカウントで同じ事象がおき、投稿した次の日にはコメントやDMができなくなるという事象が起きました。
企業として取るべき対策
「絶対に安全」と断言できるプラットフォームは存在しません。企業として現実的に取れるリスク管理の方法は以下の通りです。
- 運用専用のアカウント・端末を用意し、業務端末と分ける
- 社内の機密情報・個人情報をREDの投稿や通信に含めない
- 法規制の動向を定期的にチェックする(年に数回、最新情報を確認)
「危険だから使わない」と判断するよりも、ガイドラインを整理して取り組むことが実務で重要です。
REDで発信できるコンテンツの種類と、アカウントの選び方
3つのコンテンツ形式
形式 | 特徴と活用のポイント |
|---|---|
画像投稿(複数枚) |
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動画投稿 |
|
ライブコマース |
|
💡 運用を通じて実感したのは、画像は1枚完結より複数枚まとめた投稿のほうが発見されやすいという点です。REDには投稿内の画像から類似画像を検索できる仕様があり、1投稿に複数の画像を入れるほど、ユーザーが辿り着く経路が増えます。
アカウントは個人と企業の2種類
REDにはアカウントの種類が2つあります。
- 個人アカウント:登録が簡単で誰でも作成可能。ただし分析機能・広告・EC機能は使えない
- 企業アカウント(公式認証):審査が必要だが、公式バッジの表示・詳細な分析・広告・EC出店がすべて使える
ビジネス目的での運用を想定しているなら、最初から企業アカウントを選ぶことをおすすめします。企業アカウントの開設には事業許可証・商標登録証など複数の書類が必要で、審査には3〜5営業日ほどかかります。
REDは中華圏へのアプローチに適したプラットフォーム
REDは中国語圏のユーザーにアプローチする手段として、今後ますます重要性が高まっていくプラットフォームです。単なるSNSではなく「ユーザーが調べるプラットフォーム」として、日々アップデートされています。まずは見るだけや個人アカウントであれば無料で使えるので、ぜひ使ってみてください。




